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株主提案から株主還元が適正かどうかみてみる

議決権行使書の郵便物が大方届いた。毎年保有銘柄が増える中、今年は封筒や書類の管理をスムーズに行う為に「郵便物到着24時間以内に処理する事」を実践してみた。今のところ順調に処理できている。会社提案の議案ばかりで面白くなかったので、保有していない銘柄の株主提案で目にとまった議案を取り上げてみる。

株主提案は原文のまま掲載されるので荒唐無稽な事もあるが、今回の内容は論理的に数値で会社側の株主軽視の姿勢を改善する内容。2022年6月15日にヤマト(1967)の第77回定時株主総会が行われ、第5から8号議案が株主提案。提案株主名は「サンシャインG号投資事業組合」とあり、調べてみるとUSGアセットマネジメントの運用管理商品の一つの模様。当然会社側はすべての議案に反対。

提案理由を一部抜粋すると

当社においては、本来、株主に還元されるべき金額が内部留保へと向かった。当社の経営陣の最重要政策は、一に内部留保、二に内部留保、三に内部留保との位置づけにしか見えない。その結果、当社の2021 年3月期におけるネットキャッシュと投資有価証券、金融商品の合計額は 169 億 53 百万円に上り、実に、当社の時価総額の 80%を上回ることとなった。
当社の開示資料によると、当社は、2011 年以降一貫して、株主に対する利益還元を最重要政策と位置づけているはずであるが、その実態は、株主軽視も甚だしいと言わざるを得ない。 

さらに

内部留保を貯めこみ、株式の持ち合いを積極的に行い、必要以上に自己資本比率を高め、ROE に表れているように資本効率性を低下させ、極端に低い株主還元で株主を長期間軽視し、株価を割安に放置することは、許されない。当社の現在の資本政策、長期間の株主軽視の経営を続けるのであれば、当社が上場している意味は全くない。

さらに

株主に対して、中期経営計画を開示していない。中期経営計画を開示しないということは、羅針盤のない船で航海することと同じであり、目的地に辿り着くことはあり得ない。株主に対して何らコミットしないこのような施策もまた、株主軽視の現れである。

最後に

請求人の株主提案は、当社に対して過大な配当を求め、短期的な利益のみを追求するということを企図していない。このことは、本提案が、当社の当期純利益(2022 年3月期の当社の1株当たり当期純利益(予想)は 84.74 円である。)を越えない範囲で株主還元を行うことを求めることからも明らかである。

もし私が株主であったならすべての株主提案に賛成するが、すべての株主提案は否決される結果であった。

個別銘柄を選ぶ際に株主還元が行われているかは重要な判断基準。ただ今後株主還元が行われる可能性があれば中長期で株価上昇も期待できる。今回の株主提案で会社側の姿勢が少しずつでも変化するのか、株価を含め興味深く見てみたいと思う。