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新紙幣とタンス預金

いつもと違う銀行のATMを久々に利用した際、5台あった機械が3台に減っていました。利用する方が減ったのか、銀行の収益が上がらないので減らしたのか分かりません。機械の無くなったスペースを見ながら、キャッシュレス社会がじわりじわりと近づいているのを実感しました。

政府は5年後の2024年度に紙幣のデザインを一新すると発表しました。新紙幣の定期的な発行には、偽造防止などさまざまな観点から一定の目的があるとされています。お札の技術と偽造の技術はイタチゴッコですから、「そろそろ交換の時期か…」と思われる方も多いかもしれません。前回の刷新は2004年で2年前の発表でしたが、今回は5年前に発表だったので何か思惑があるのではないかと勘ぐってしまいます。

新紙幣導入による自動販売機、ATM、券売機などの紙幣読み取り機器の特需が見込まれます。それよりも規模の大きい45~80兆円余りあるとされる、タンス預金を吐き出させることにあると考えてしまいます。「旧札は引き続き使える」と分かっていても、「いずれ旧札も失効する時がくるのではないか」とか「旧札をため込んでいると疑われる」とか「ATMで取り扱いができなくなる」等の心理的な圧力にはなります。

銀行に預けても利子がほとんどありませんから、資産を沢山お持ちの方の中には「現金で手元に置く」人も増えています。2018年からマイナンバーが銀行口座に紐付けされましたので、個人の預金総額が税務署に筒抜けになります。資産家の中には、「資産隠し」の手段として「タンス預金」を活用している方も多いかもしれません。眠っているタンス預金を表に出させることで、国税庁は全体像を把握でき紙幣の流動性を生ませようとしていると考えることもできます。

政府は全体像を把握してから一気にキャッシュレスにする戦略なのでしょうか。私の場合、現金を利用する機会は年々減り続けているように感じます。新紙幣になっても利用する機会は今より増えることはないでしょう。